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カテゴリー「ゼカリヤ書を読む」の記事

2022年6月18日 (土)

ゼカリヤ書前置き

旧約聖書には、預言書は、大預言書が5、小預言書が12ありますが、ゼカリヤ書は小預言書のひとつで、捕囚期後の預言書です。

 

ゼカリヤ署は、メシア預言が満載で、新約聖書には本書からの引用が41か所あります。
南ユダのバビロン捕囚の間、約70年間は、イスラエルの地では預言者の活動はなく、捕囚地では、ダニエルとエゼキエルが活躍していました。
捕囚から帰還後に登場した預言者が、ハガイ・ゼカリヤ・マラキです。

 

ゼカリヤという名前の意味は、「ヤハウェは覚えられる」という意味です。
主が彼らを決して忘れることなく覚えておられ、またご自分の町エルサレムを覚えておられると言うことでしょう。

 

 

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悔い改めの勧告と第一の幻(1章)

聖書の箇所は、1章1節から17節です。
●1節.ダレイオスの第二年八月に、イドの孫でベレクヤの子である預言者ゼカリヤに主の言葉が臨んだ。

 

時は、「ダレイオスの第二年八月」ですから、紀元前520 年の収穫が終わり、冬にさしかかる10月から11月にかけてのころでしょう。
預言者ハガイは、ペルシヤのダリヨス王第二年の第六月一日に第一回目の預言(第二神殿工事再開)をの行な いました。紀元前520 年 8 月29日のことです。

 

第二回目の預言は、同じ年 の第七月の第二十一日に行なっています。紀元前520年10月17日のことです。
ソロモンの神殿を思い 出して、嘆き悲しんでいる老人たちに、その栄光よりはるかにすぐれた栄光があることを教えまし た。

 

そして第三回目は、この日から主の祝福が始まるとして、工事にとりかかった三か月後、第九 月の二十四日に預言をしています。紀元前520年の12月 18日です。

 

 

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第二・第三の幻(2章)

聖書の箇所は、2章1節から17節です。
●1節.わたしが目を留めて見ると、四本の角があるではないか。
●2節.わたしに語りかけた御使いに、「これは何ですか」と尋ねると、彼は、「それはユダ、イスラエル、エルサレムをちりぢりにした角である」と答えた。

 

第二の幻は、「四本の角」とその角を加工する「四本の鉄工」です。
聖書で「角」は権威や力を象徴します。

 

ゼカリヤが御使いに聞くと、「それはユダ、イスラエル、エルサレムをちりぢりにした角である」と答えています。
「ユダ、イスラエル」と並べているのは、バビロンに滅ぼされた南ユダだけでなく、紀元前721年にアッシリアによって滅ぼされた北イスラエルにも目が向けられているのでしょう。

 

 

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第四の幻(3章)

聖書の箇所は、3章1節から10節です。
●1節.主は、主の御使いの前に立つ大祭司ヨシュアと、その右に立って彼を訴えようとしているサタンをわたしに示された。

 

この幻は、法廷の形をとっています。
「主の使い」は、裁きの場ですから天の法廷の裁判官です。

 

そしてその前に大祭司ヨシュアが被告として立っています。
そしてヨシュアの右側に原告であるサタンがいます。

 

そしてゼカリヤにこの幻を見せておられる父なる神、主がおられます。
大祭司ヨシュアがサタンからの告発を受けて裁かれているのです。

 

 

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第五の幻(4章)

聖書の箇所は、4章1節から14節です。
●1節.わたしに語りかけた御使いが戻って来て、わたしを起こした。わたしは眠りから揺り起こされた者のようであった。
●2節.彼はわたしに、「何を見ていたのか」と尋ねたので、わたしは答えた。「わたしが見ていたのは、すべてが金でできた燭台で、頭部には容器が置かれていました。その上に七つのともし火皿が付けられており、頭部に置かれているともし火皿には七つの管が付いていました。
●3節.その傍らに二本のオリーブの木があり、一つは容器の右に、一つは左に立っていました。」
●4節.わたしは言葉をついで、わたしに語りかけた御使いに言った。「主よ、これは何でしょうか。」

 

第五つ目の幻で、今度は燭台です。
御使いがゼカリヤに「何を見ていたのか」と問いますと、ゼカリヤ2節半ばから3節の通り答えます。

 

答えの第一は、「わたしが見ていたのは、すべてが金でできた燭台で、頭部には容器が置かれていました。その上に七つのともし火皿が付けられており、頭部に置かれているともし火皿には七つの管が付いていました。」です。

 

そして第二は、「その傍らに二本のオリーブの木があり、一つは容器の右に、一つは左に立っていました。」と答えます。
そこでゼカリヤは御使いに、「主よ、これは何でしょうか。」(4節)と尋ねます。「これら」とは、「二本のオリーブの木」のことでしょう。

 

 

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第六・第七の幻(5章)

聖書の箇所は、5章1節から11節です。
5章には二つの幻が記されています。

 

一つは、第六の幻で「飛んでいる巻き物」、もう一つは、第七の幻で「エファ升とその中にいる女」です。
今までの幻もそうでしたが、この章の幻も第二神殿再建と神の民イスラエルの回復を視野に、人類救済史的、終末論的視点から解釈したいと思います。

 

●1節.わたしが再び目を留めて見ると、一つの巻物が飛んでいた。
●2節.御使いがわたしに、「何を見ているのか」と尋ねたので、わたしは答えた。「巻物が飛んでいるのが見えます。その長さは二十アンマ、幅は十アンマです。」

 

第六の幻は、飛んでいる巻き物です。
巻き物の大きさは、「長さは二十アンマ、幅は十アンマ」です。

 

 

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第八の幻(6章)

聖書の箇所は、6章1節から15節です。
●1節.わたしが再び目を留めて見ると、四両の戦車が二つの山の間から出て来た。その山は青銅の山であった。
第八の幻です。

 

四両の戦車が二つの山の間から出てきています。
この山は青銅でできています。青銅は、神の裁きを表しています。(幕屋において青銅でできた祭壇は、私たちの罪が裁かれることを意味していました。)

 

したがって、今、神がご自分の力と権威によって、裁きを行なわれることを表しているのでしょう。

 

●2節.最初の戦車には赤毛の馬数頭、二番目の戦車には黒い馬数頭、
●3節.三番目の戦車には白い馬数頭、四番目の戦車にはまだらの強い馬数頭がつけられていた。
四両の戦車をそれぞれ複数の馬が引っ張っています。
●4節.わたしは言葉をついで、わたしに語りかけた御使いに、「主よ、これは何ですか」と尋ねると、
●5節.御使いはわたしに言った。「これは天の四方に向かう風で、全地の主の御前に立った後に出て行くものである。

 

 

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断食と回復の約束(1)(7章)

聖書の箇所は、7章1節から14節です。
●1節.ダレイオス王の第四年になって、主の言葉がゼカリヤに臨んだ。それは九月、キスレウの月の四日のことであった。

 

「ダリヨス王の第四年」の「九月、キスレウの月の四日」と、具体的な時期の記述から始まります。
この日は1章1節に記された最初の預言から約二年後の紀元前518年の12月を指します。まさに第二神殿再建工事の真っただ中での預言です。

 

●2節.ベテルはサル・エツェルとレゲム・メレクおよび彼の従者たちを遣わして、主の恵みを求めさせ、
●3節.また万軍の主の神殿の祭司たち、および預言者たちに次のような質問をさせた。「わたしは、長年実行してきたように、五月には節制して悲しみのときを持つべきでしょうか。」

 

 

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断食と回復の約束(2)(8章)

聖書の箇所は、8章1節から23節です。
8章は、「万軍の主の言葉(ゼカリヤに対し)が臨んだ。」という定型句で、以下のように、10のメッセージが語られています。

 

1.わたしはシオンに激しい熱情を注ぐ。(2節)
2.わたしは・・エルサレムの真ん中に住まう。(3節)
3.エルサレムの広場には、再び、老爺、老婆が座すようになる。(4節)
4.(平和の到来を)この民の残りの者が見て驚くことをわたしも見て驚くであろう。(6節)
5.わたしはわが民を救い出し、彼らを連れてきて、エルサレムに住まわせる。(7・8節)
6.平和の種は蒔かれ、ぶどうの木は実を結び大地は収穫をもたらし、天は露をくだす。(12節)
7.互いに真実を語り合え。城門では真実と正義に基づき平和をもたらす裁きをせよ。互いに心の中で悪をたくらむな。偽りの誓いをしょうとするな。(16・17節)
8.(追加され断食日である)四月の断食、五月の断食、七月の断食、十月の断食はユダの家に喜び祝う楽しい祝祭の時となる。(19節)
9.更に多くの民、多くの町の住民が到着する。・・多くの民、強い国の民も来て、エルサレムにいます万軍の主を訪ね求め主の恵みを求める。(20・22節)・・諸国に民が群れを成して恵里サレムに集まる。
10.その日、あらゆる言葉の国々の中から、十人の男が一人のユダの人の裾をつかんで言う。『あなたたちと共に行かせてほしい。我々は、神があなたたちと共におられると聞いたからだ。』(23節)・・ユダヤ人と異邦人が共に主の祝福にあずかる。

 

 

 

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2022年6月20日 (月)

諸国民の裁きとイスラエルの救い(1)(9章)

聖書の箇所は、9章1節から17節です。 ●1節.託宣。主の言葉がハドラクの地に臨み、またダマスコにとどまる。人々はイスラエルの全部族と共に主に目を向ける。 「託宣。」ですが、宣告とも言い「重荷」と言う意味があるそうです。 また新たな預言になります。これが11章まで続きます。 それから12章から新たに別の「宣告」が始まります。 「ハドラク」とはシリヤ北部のハマテの近くで、アブラハムに約束された地の最北端、「ダマスコ」はヘルモン山の北にあるシリヤの首都。 「ダマスコ」は、イスラエル王国を脅かす北の驚異の象徴的な町ですが、それらの町々に「宣告」としての「主のことば」が臨み、ダマスコには留まるとあります。 「ハドラク」「ダマスコ」と次の「ハマト」の町は、いずれもシリアの町です。ダマスコは今でもシリアの首都です。 主の宣告の内容は、通常、主が警告や裁きをお語りになるのですが、ゼカリヤ書では、それは、イスラエルの敵に対して向けられたものとなっています。

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