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カテゴリー「ヨナ書を読む」の記事

2022年5月22日 (日)

ニネベの悔い改め(ヨナ書を読む)3章

聖書箇所は、3章1節から4章10節です。
アモス書では北イスラエルがアッシリア帝国によって滅ぼされることが示唆されていますが、ヨナ書ではその首都ニネベで大きな悔い改めが起こって国力が回復したことの背景が記されています。(3章)

 

●3章1節. 主の言葉が再びヨナに臨んだ。
●2節.「さあ、大いなる都ニネベに行って、わたしがお前に語る言葉を告げよ。」
●3節. ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。ニネベは非常に大きな都で、一回りするのに三日かかった。

 

「主の言葉が再び」ですから、主は、二度、三度同じように立ち直る、あるいは再出発の恵みを下さるのです。
ヨナは、喜び勇んでということではなかったかも知れませんが、「ヨナは主の命令どおり、直ちにニネベに行った。」のです。

 

今度は、ヨナも従順です。嵐の海での経験、巨大な魚の腹の中で三日三晩過ごした経験が、ヨナを従順にさせたのでしょう。
ニネベ は、「非常に大きな都」で「一回りするのに三日かかった。」とあります。

 

行巡るだけで三日かかったとしています。
3日歩く距離といえば100~120kmくらいでしょう。東京23区の周囲が140~150kmらしいです。

 

●4節. ヨナはまず都に入り、一日分の距離を歩きながら叫び、そして言った。「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」

 

アッシリア帝国の首都ニネベの町にやって来た小国イスラエルの預言者の告げる言葉に耳を傾けてくれる人がいるのでしょうか。
逆に、ニネベの人々にニネベの都の滅びを告げて、誰も聞かないどころか、危害を加えられることも考えられます。

 

 

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ヨナの救助(ヨナ書を読む)2章

聖書箇所は、2章1節から11節です。
「ニネベに行きなさい」という主の命令に背き、タルシシュ行きの船で逃げ出して大嵐に遭い、荒れた海に放り込まれたヨナのために、主なる神は巨大な魚を用意し、その大魚の腹の中にヨナを飲み込ませて三日三晩置き、ヨナの祈りに応え、その上でヨナを深海から陸地に戻されました。

 

2節以下には、三日三晩魚の腹の中にいたヨナが、そこからささげた主への祈りが記されています。

 

●1節.さて、主は巨大な魚に命じて、ヨナを呑み込ませられた。ヨナは三日三晩魚の腹の中にいた。

 

主がヨナのために「大きな魚」を「備え」、「魚に命じ」、「ヨナを飲み込ませた」のです。
そこには主がおられますから、主の確かな目的・理由があると言うことでしょう。

 

それでは、主は何のために、どんな目的をもって魚にヨナをのみこませたのでしょうか。
考えられるのは、一つは、主の御顔を避けて逃げようとするヨナに対する、つまり、ご自身のご計画を担わせる者に対する不可欠な訓練。
もう一つは、ヨナをもう一度、本来の使命に立ち返らせることです。

 

「主は大風を海に向かって放たれたので、海は大荒れとなり、船は今にも砕けんばかりとなった。」ので、ヨナが海の中に投げ込まれる状況をもたらしました。

 

 

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ヨナの逃亡(ヨナ書を読む)1章

聖書箇所は、1章1節から16節です。
●1節.主の言葉がアミタイの子ヨナに臨んだ。
●2節.「さあ、大いなる都ニネベに行ってこれに呼びかけよ。彼らの悪はわたしの前に届いている。」
ニネベと言うのは、アッシリア帝国の都市で、場所は現代のイラクの北限地帯のティグリス川沿いに位置し、当時の世界では最大級の町でした。

 

主がヨナにアッシリアの都ニネベに行けと命じられた時のアッシリアは、ティグラト3世の時代(紀元前745年~727年)で、パレスティナを支配するべく圧迫していた時代です。

 

アッシリアは紀元前1450年ごろ生まれた国で、イスラエル王国が二つに分裂してからしばらくして急速に勢力を広げ紀元前840年頃にはアラム(シリヤ)の首都ダマスコを征服しましたが、まもなくして、アッシリアは地方の反乱に悩まされ、無能な王のもとで勢力を失い、紀元前765年と759年には記録的な大飢饉に襲われました。

 

その上に、紀元前763年6月15日に皆既日食がニネベで起きたと言われています。
それは当時の人々に恐ろしい不安を呼び覚ますものでしたでしょう。

 

 

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.ヨナ書前置き(ヨナ書を読む)

旧約聖書には、預言書は、大預言書が5、小預言書が12ありますが、ヨナ書は小預言書のひとつで、捕囚期前の預言書です。

 

ヨナ書がいつ誰によって記されたかはわかりませんが、本書は現実の歴史と符合している個所もありますから、ヨナ自身の体験が記されていると思います。
ヨナ自身がヨナ書を作成したならば、列王記下14章25節の北イスラエルの繁栄の預言もヨナ書に記載されているはずです。

 

ヨナ書の特徴は、ヨナ書の中でヨナに託された神の言葉がわずか一言だけで、それは、「あと四十日すれば、ニネベの都は滅びる。」(3章4節)です。

 

よって、ヨナ書は預言書というよりは、むしろヨナという人物の体験を誰かが記録した物語とも言えます。
なお、ヨナのこのほかの預言は、列王記下14章25節(ヨナ書のヨナと列王記下14章25節(下記)のヨナが同一人物として)によれば、北イスラエルの王ヤロブアム二世の時代(紀元前793年から753年)に、かつてヨナがイスラエルの繁栄の約束を語ったことが実現されたとあります。

 

 

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