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カテゴリー「ヨエル書を読む」の記事

2022年5月11日 (水)

ユダの救い(ヨエル書を読む)(4章)

聖書箇所は、4章16節から21節です。
●16節.主はシオンからほえたけり/エルサレムから声をとどろかされる。天も地も震える。しかし、主はその民の避け所/イスラエルの人々の砦である。
●17節.あなたたちは知るようになる。わたしがあなたたちの神なる主であり/わが聖なる山シオンに住む者であることを。エルサレムは聖なる地となり/もはや、異国の民がそこを通ることはない。
●18節.その日が来ると/山々にはぶどう酒が滴り/もろもろの丘には乳が流れ/ユダのすべての谷には水が流れる。泉が主の神殿から湧き出て/シティムの川を潤す。

 

イスラエルの民、キリストの民は反キリストである諸国の軍隊に対する神の怒りの現われは、主の民にとってはそれが救いです。

 

●19節.エジプトは荒廃し/エドムは滅びの荒れ野となる。ユダの人々を虐げ/その国で、罪なき者の血を流したからだ。

 

4章4節と同じことを言っています。
イスラエル周辺の、諸国民の裁きです。

 

その理由は、4章2節の「わたしの民、わたしの所有であるイスラエルを/彼らは諸国の民の中に散らし/わたしの土地を自分たちの間に分配したからだ。」です。

 

なお、「エドム」とは、エサウの子孫の総称で、神に敵対する勢力、あるいは、歴史における反ユダヤ主義的勢力を象徴していると言うことです。

 

他にエドムの滅びの預言は、オバデヤ書では、10節・18節。アモス書1章11節から12節です。
参考に、エドムが永遠に絶やされる理由ですが、それは以下の二つです。
一つは、心の高慢(オバデヤ3節)、もう一つは、同胞の災難を喜んだ(オバデヤ書10~14節)ことです。

 

 

 

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諸国民の裁き(ヨエル書を読む)(4章)

聖書箇所は、4章1節から15節です。
主がエルサレムに戻ってこられた後に行なわれるのは、イスラエルの周辺諸国への裁きです。

 

●1節.見よ、ユダとエルサレムの繁栄を回復するその日、その時。
●2節.わたしは諸国の民を皆集め/ヨシャファト(主の裁き)の谷に連れて行き/そこで、わたしは彼らを裁く。わたしの民、わたしの所有であるイスラエルを/彼らは諸国の民の中に散らし/わたしの土地を自分たちの間に分配したからだ。
●3節.彼らはわたしの民の運命をくじで定め/遊女を買うために少年を売り渡し/酒を買うために少女を売った。
●4節.ティルスとシドンよ、ペリシテの全土よ/お前たちはわたしにとって何であろうか/わたしに復讐しようというのか。もし、お前たちがわたしに復讐するなら/わたしは直ちにお前たちの頭上に復讐を返す。

 

4章は前3章における「主の日」の出来事と同時に起こるエルサレムを中心とした終末的状況を提示しています。
前3章からの続きで、2節では、「わたしは諸国の民を皆集め」としていますから、この諸国の民は、イスラエルに対して大きな罪を犯したイスラエルの周辺国家であるティルスやシドン(今のレバノン)、ペリシテ(今のガザ地区)、エジプト、エドムといった国々で、その諸国の民を集め、イスラエル人とその地に行ったことに対して、裁きが行われるのです。

 

 

 

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神の霊の降臨(ヨエル書を読む)(3章)

聖書箇所は、3章1節から5節です。
●1節.その後/わたしはすべての人にわが霊を注ぐ。あなたたちの息子や娘は預言し/老人は夢を見、若者は幻を見る。

 

原語では「すべての人」は「異邦人」を意味し、複数形だと言うことです。
ここは、「諸々の民」「万国の民」「遠くの民」とも訳されているそうです。

 

●2節.その日、わたしは/奴隷となっている男女にもわが霊を注ぐ。

 

「すべての人にわが霊を注ぐ」と、主は強調されています。
旧約時代には、選ばれた預言者、祭司、義人、また聖徒にのみ御霊を注がれました。
新約時代では、使徒言行録2章で、彼らが屋上の間で祈っている時に、五旬節の満ちた日に、ご聖霊が火の舌のような形で降りてこられて、彼らがご聖霊に満たされて、外国の言葉で神を賛美しはじめました。

 

そして世界中から来ていたユダヤ人の巡礼者らが、自分の地方の言葉で彼らが神を賛美しているのを見て、驚き怪しみました。
ペトロは、ヨエル書の預言3章1節から5節を引用して読みます。

 

聖霊降臨は、イスラエルに代わり、「すべての人にわが霊」が注がれ、教会時代の始まりを告げ、主の日当来の預言は、7年間の艱難時代の到来を預言するものでしょう。

 

 

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主の慈しみ(ヨエル書を読む)(2章)

聖書箇所は、2章12節から27節です。
●12節.主は言われる。「今こそ、心からわたしに立ち帰れ/断食し、泣き悲しんで。
●13節.衣を裂くのではなく/お前たちの心を引き裂け。」あなたたちの神、主に立ち帰れ。主は恵みに満ち、憐れみ深く/忍耐強く、慈しみに富み/くだした災いを悔いられるからだ。

 

艱難時代の到来と裁きの預言から一転して、悔い改めの呼びかけです。
「主の日は大いなる日で、甚だ恐ろしい。」「断食し、泣き悲しんで。」「今こそ心からわたしに立ち返れ」です。

 

これは、到来が告げ知らされ、裁きに備えるようにと角笛が吹き鳴らされたときに、イスラエルの民がすべきことです。
最初にすべきことは、「今こそ、心からわたしに立ち帰れ」です。

 

「立ち帰る」とは、方向を変えること、神に向かって歩き始めることです。
まっすぐに神の言葉を聴くことです。
「断食し、泣き悲しんで」ですが、「断食し、泣き悲しむ」のは、罪の悔い改めを表明することですから、神に背いた罪を悔いて、神に向かって歩み出せ、神の御言葉に聴き従えと言われているのです。

 

そして、13節の「お前たちの心を引き裂け。」です。
衣を裂くのは、悲しみ、嘆きの表現ですが、神が望んでおられるのは、外側に見える形で表現されることではなく、むしろ、「心を引き裂く」こと、つまり、根本的に心を造り替えることです。

 

 

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主の怒りの日(ヨエル書を読む)(2章)

聖書箇所は、2章1節から11節です。
●1節.シオンで角笛を吹き/わが聖なる山で鬨の声をあげよ。この国に住む者は皆、おののけ。主の日が来る、主の日が近づく。
さて、いよいよ実際の預言が始まります。

 

「シオンで角笛を吹き」とありますが、侵略者との戦いに出る場合にラッパを短く吹き鳴らします。すなわち、「主の日が来る」ことの警告のためです。

 

その日が「闇と暗黒の日」「雲と濃霧の日」となるからです。
なお、ヨエルは、「主の日が来る」と言っていますが、それはヨハネの黙示録で言っている「第一の災い」を指すのでしょう。
「角笛」は、敵の侵入の警報として(エレミヤ書4章5節)、また、戦いに備えるために吹き鳴らされます(士師記3章27節)。

 

●2節.それは闇と暗黒の日、雲と濃霧の日である。強大で数多い民が/山々に広がる曙の光のように襲ってくる。このようなことは、かつて起こったことがなく/これから後も、代々再び起こることはない。
●3節.彼らの行く手を、火が焼き尽くし/彼らの後ろには燃える炎が続く。彼らの来る前、この国はエデンの園のようであった。彼らの去った後には、滅びの荒れ野が残る。何ものもこれを逃れえない。

 

 

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いなごによる荒廃(ヨエル書を読む)(1節)

聖書箇所は、1章1節から20節です。
●1節.ペトエルの子ヨエルに臨んだ主の言葉。

 

預言者ヨエルはペトエルの子です。どの王の時代かはわかりません。
「ペトエル」という父の名がありますが、ペトエルが誰であるかもわかりません。

 

●2節.老人たちよ、これを聞け。この地に住む者よ、皆耳を傾けよ。あなたたちの時代に、また、先祖の時代にも/このようなことがあっただろうか。
●3節.これをあなたたちの子孫に語り伝えよ。子孫はその子孫に/その子孫は、また後の世代に。
聴衆に対する呼びかけています。

 

「老人」(長老)に呼びかけ、「この地に住む者」に呼びかけ、また後世の子孫にも言い伝えよ、と命じています。
なぜなら、「あなたたちの時代に、また、先祖の時代にも/このようなことがあっただろうか。」と叫びたくなるような事態だからです。
長く生きている長老たちに、昔の話の中にも、これだけの災害はあっただろうかと呼びかけています。

 

とても重要な事柄を忘れることなく、次の世代、その次の世代にも周知徹底させようとする呼びかけているのです。
即ち、昔から起こったことがない、これから後の代々の時代にも再び起こらない事態で、終末に起こる未曾有のさばきを指しているのでしょう。

 

 

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前置き(ヨエル書を読む)

「ヨエル書」は、わずか4章からなる小預言書で、記述預言書です。
未曾有の大災害をもたらすイナゴの大軍の来襲を「主の日」、つまり主がご計画があってなされた出来事として語られています。
この主の日がヨエル書の大きな主題となります。
イスラエルに災難として降りかかる出来事は、神のさばきであり、同時に、神の救い(回復)の恩寵でもあるのです。

 

つぎに、この預言書が書かれた時代ですが、預言者ヨエルのプロフィールについての情報は1章1節の「ペトエルの子ヨエル」のみです。
そして、自分が語る内容は、主から与えられたものであると述べています。

 

時代背景ですが、ヨエルは南王国ユダの預言者であって、時代的にはオバデアに続く預言者です。
オバレヤ書もヨエル書と同じで、主題は「主の日」です。

 

 

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