コヘレトの言葉前置き
この書は紀元前3世紀頃に書かれたもので、知恵文学中一番短いものです。
「コヘレト」と言う言葉は、ヘブライ語ですが、意味は、「民を集めて語る人」で、それで伝道者とも訳されています。
1章2節の出だしには、「なんという空しさ なんという空しさ、すべては空しい」とありますが、人生のむなしさの奥には、神の支配があると教えています。
この書に流れている主な教えは、神、人間、知恵、一切は空であるということに要約できるのではないでしょうか。
コヘレトの言葉の特色は、人生の無常と虚無を強調することにあると思います。
それは神がおられるという前提で、もし、神がおられないならば、この世界はこのような虚無の世界だと言っているのだと思います。
この世のすべてが「空」ならば、神がいなければこの世は地獄です。
救いも希望もない世界です。
空は空でも、そこが仏教経典の「般若心経」と違うところです。
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