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カテゴリー「ダニエル書を読む」の記事

2020年12月 9日 (水)

終わりの時についての幻(6)(12章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。
投稿は六回に分けまして、(6)は12章1節から13節です。

 

最後の章になりました。12章は10章の「終わりの時についての幻」、すなわち、ペルシア王国以後の世界の諸王国についての預言の続きです。

ここまでの出来事を簡単にまとめておきますと、ダニエルが断食をして祈っている時、天使が現われてこれから起こる戦いを明らかにしました。

11章では、ペルシヤの王からギリシヤの王に移り、その国が四つに分割され、そのうち南の王と北の王が派遣争いをします。

 

そして、その戦いの中で北から現われるアンティオコス・エピファネス四世、すなわち、「憎むべき荒廃をもたらすもの」を幻で見ました。

 

11章36節に「怒りの時が終わるまで栄え続ける」王は、反キリストについての預言とされていますが、彼が自分を神とし、そして世界を治める王となり、それから世界大戦が始まることになります。

 

その最終戦争の最中に、ダニエルの民、つまりユダヤ人たちがどうなるのかについて、天使はここで明らかにします。

ここ12章は、ダニエル書全体の要約になると思います。

 

 

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2020年12月 6日 (日)

終わりの時についての幻(5)(11章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。
投稿は六回に分けまして、(5)は11章33節から45節です。

●33節.民の目覚めた人々は多くの者を導くが、ある期間、剣にかかり、火刑に処され、捕らわれ、略奪されて倒される。

「民の目覚めた人々」というのは、思慮深い人々のこと、すなわち、「神を恐れるユダヤの人々」のことでしょう。

「多くの者を導」きですが、調べてみると、その思慮深い人々の中心となったのは、祭司の家系であったマタティヤとその息子のユダ・マカベアで、その者たちが立ち上がり、多くのユダヤ人たちを悟らせ、指導して、反乱を起こしたということです。

マカバイ家は、「確固として行動する」民の代表ですが、それは、マカバイ家の祭司マタティアスがこの偽りの宗教を拒んだからとされています。

それに啓発されて多くのユダヤ人が神に立ち返り、抵抗を始めました。

「民の目覚めた人々は多くの者を導く」は、そのことを言っているのでしょう。

しかし、「目覚めた人々」の多くが「剣にかかり、火刑に処され、捕らわれ、略奪されて」殺されます。

 

「ある期間」ですから、そのようなことも神が定められた期間の間だけだとされます。

すべての出来事は、神の御計画の中で起こっていることなのです。

 

 

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2020年12月 2日 (水)

終わりの時についての幻(4)(11章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。

 

投稿は六回に分けまして、(4)は11章19節から32節です。

 

●19節.北の王は自国の城塞に帰るが、そこで失墜し、倒れて消えうせる。

 

「彼」、すなわち北の王アンティオコス三世は、ギリシヤにおける戦いで同じローマの将軍スキピオに敗れ、紀元前187年にシュシャンで暗殺されました。

 

こうして、世界全体の力がギリシヤの時代からローマの時代が来るのです。

 

●20節.彼に代わって立つ者は、王国の栄光のためにと、税を取る者を巡回させる。しかし、幾日もたたないうちに、怒りにも戦いにも遭わずに滅び去る。

 

「彼に代わって立つ者」とは、アンティオコス四4世エピファネスのことで、セレウコス四世に代わって立つのです。

 

セレウコス四世は、イスラエルに対して重税を課します。

 

それは、ローマが勢力を拡大しましたので、シリヤに対して年に一千タラントの貢物をしなければならなかったからだということです。

 

そのためにヘリオドルスを取り立て人として遣わし、ユダヤ教の神殿から財宝を奪い取ることになってしまったそうです。

 

けれども、「幾日もたたないうちに、」セレウコス四世は死にます。

 

財務長官のヘリオドロスに毒殺されたのです。
そのことを、「怒りにも戦いにも遭わずに滅び去る。」と表現しているのでしょう。

 

 

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2020年11月27日 (金)

終わりの時についての幻(3)(11章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。

 

投稿は六回に分けまして、(3)は11章1節から18節です。

 

11章と12章は、ダニエルが見た幻の集大成ともいえる最後の幻です。

 

内容は、ダニエルが生きていたペルシヤの初代の王キュロスの治世第三年(10章1節)以後に起こる、ギリシヤのセレウコス朝との間で繰り広げられる戦争、すなわち、この目で見える世界で起こっている戦いの背後には、目に見えない守護天使たちの熾烈な争いがあり、ここでは、目で見える世界からみたその戦いの預言だと思います。

 

ダニエルは紀元前534年頃にこの幻を見たのですが、実際のその戦いが起こったのは二世紀後であるということです。

 

その啓示の理由は、神がご自分こそが生ける真の神であることを証しされるためだと思います。

 

内容は、前半と後半に分かれていて、バビロニア時代・ペルシア時代から、両王国以降のイスラエル周辺国の歴史への預言が加えられています。

 

 

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2020年11月23日 (月)

終わりの時についての幻(2)(10章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。
投稿は六回に分けまして、(2)は10章7節から21節です。

 

●7節.この幻を見たのはわたしダニエルひとりであって、共にいた人々は何も見なかったのだが、強い恐怖に襲われて逃げ出し、隠れてしまった。

 

7節に、「共にいた人々は何も見なかった」とありますから、ダニエルは何人かの人とチグリス川沿いを歩いていたのでしょう。

 

ダニエルはその時に幻を見たのですけれども、一緒にいた人たちにはその幻は見えなかったのです。

 

幻を見た時のダニエルの驚く姿を見て共にいた人たちは「強い恐怖に襲われて逃げ出し、隠れてしまった。」(7節)のです。

 

5節と6節にあるようにダニエルは、とんでもない姿の幻を見て、その驚きを全身で表現したのでしょう。

 

そのダニエルを見て、ダニエルと一緒にいた人たちは恐怖を覚えたのです。

 

ダニエルの驚いている姿は、8節を読めばよくわかります。

 

未知の存在に遭遇した時の驚きですから、当然です。

 

なお、ダニエルが見た5節の「一人の人」は誰であるかいろいろと意見があます。天使だとかイエス・キリストだとかです。

 

わたしは旧約聖書ですから、天使だと思うのですが、特定の必要がありませんので詮索は省略します。

 

 

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2020年11月18日 (水)

終わりの時についての幻(1)(10章)

聖書の箇所は、ダニエル書10章1節から21節、11章1節から45節、12章1節から13節です。
投稿は六回に分けまして、(1)は10章1節から6節です。

 

ここ10章は9章に続きペルシア王国時代のことです。

 

ダニエルが見た幻の中に現れた天使ガブリエルによって、幻の意味が解き明かされます。

 

内容はこれまで語られたことと同じで「憎むべきもの」の支配と、その時代の終焉のことが詳しく書かれています。

 

アンティオコス四世によるユダヤ人迫害時代が暗号的な言葉で記されています。

 

10章は、その導入部分で、ダニエルが天使ガブリエルの幻に出会う情景から始まりますが、この戦いは、12章の初めまで続きます。

 

なお、副題が「終わりの時についての幻」となっていますが、この箇所に出てくる終わりの日について、二つの見方があります。

 

一つは、人類の歴史の終わりの日、もう一つは、ユダヤ人の捕囚に始まる苦難の日々の終わりの日です。

 

 

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2020年11月15日 (日)

定めの70週(2)(9章)

聖書の箇所は、ダニエル書9章1節から27節です。投稿は二回に分けまして(2)は15節から27節です。

 

●15節.わたしたちの神である主よ、強い御手をもって民をエジプトから導き出し、今日に至る名声を得られた神よ、わたしたちは罪を犯し、逆らいました。

 

ダニエルは出エジプトというイスラエルの歴史的出来事を振り返り、イスラエルの神が「名声を得られた神」であることを確認し、そのような神の御前で自分たちは罪を犯したことを告白しています。

 

●16節.主よ、常に変わらぬ恵みの御業をもってあなたの都、聖なる山エルサレムからあなたの怒りと憤りを翻してください。わたしたちの罪と父祖の悪行のために、エルサレムもあなたの民も、近隣の民すべてから嘲られています。

 

15節と16節はダニエルの願いです。

 

それは、神殿が破壊され、跡地は廃墟となり、異邦人(ユダヤ人以外の諸国民)に踏み荒らされ「嘲られて」いる現実です。

 

ダニエルは、エルサレムの悲惨な現状を訴えて、その回復を主なる神に願っているのです。

 

そして、その様なことになったのは、エルサレムが主なる神に対し、「罪を犯し、逆ら」ったことが原因だとします。

 

その上で、エルサレムの回復を当然の権利としてではなく、回復を「常に変わらぬ恵みの御業」、すなわち、主の「深い憐れみ」(18節)だとするのです。

 

 

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2020年11月 8日 (日)

定めの70週(1)(9章)

聖書の箇所は、ダニエル書9章1節から27節です。投稿は二回に分けまして(1)は1節から14節までです。

 

ダニエルの見た夢と幻の三つ目です。

 

7章と8章、そしてここ9章は「定めの70週」です。

 

この「定めの70週」の70週とは、一日を一年として、一週を七年として、490年ということでしょう。

 

この490年は表象化された終末までの期間になるのでしょう。

 

終末は、キリスト教から言えばキリスト再臨の時(終わりの日の始まりは、キリストがこの地上に来られた時)で、万物が新たにされる時です。

 

ダニエルは、エルサレムの荒廃の時が終わるのが、預言者エレミアに主が告げられたように70週(70年)であることを悟ります。

 

そのダニエルの祈りに応え、天使ガブリエルによって70週の意味が解明されます。

 

●1節.ダレイオスの治世第一年のことである。ダレイオスはメディア出身で、クセルクセスの子であり、カルデア人の国を治めていた。

 

ダレイオスの治世第一年は、紀元前539年のことです。

 

 

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雄羊と雄山羊の幻(2)(8章)

聖書の箇所は、ダニエル書8章1節から27節です。投稿は二回に分けまして(2)は12節から27節です。

 

●12節.また、天の万軍を供え物と共に打ち倒して罪をはびこらせ、真理を地になげうち、思うままにふるまった。

 

「罪をはびこらせ、」と言うのは、アンティオコス四世は、安息日を守る者、割礼を男の子に授ける者、つまりユダヤ人を虐殺し、異教の祭りに強制的に参加させ、イスラエルの唯一の神に忠実なユダヤ人たちを徹底的に滅ぼし、さもなくは堕落させました。

 

彼はユダヤ人にユダヤ教の祭儀とか律法を強制的に守らせないようにしましたからそのことを言って言っているのでしょう。

 

もちろん、ユダヤ人の中から偶像崇拝に加担する者もあらわれたことでしょう。

 

●13節.わたしは一人の聖なる者が語るのを聞いた。またもう一人の聖なる者がその語っている者に言った。「この幻、すなわち、日ごとの供え物が廃され、罪が荒廃をもたらし、聖所と万軍とが踏みにじられるというこの幻の出来事は、いつまで続くのか。」

 

●14節.彼は続けた。「日が暮れ、夜の明けること二千三百回に及んで、聖所はあるべき状態に戻る。」

 

幻の中の「一人の聖なる者」に、「もう一人の聖なる者」が聞きます。

 

この二人の聖なる者は、おそらく天使を指しているのでしょう。

 

このような、「聖所と万軍とが踏みにじられる」(13節)さまがいつまで続くのかと聞きます。。

 

その問いに対して「一人の聖なる者」は、おそらく、ダニエルに聞こえるように「日が暮れ、夜の明けること二千三百回に及んで、聖所はあるべき状態に戻る。」と答えます。

 

 

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2020年10月30日 (金)

雄羊と雄山羊の幻(1)(8章)

聖書の箇所は、ダニエル書8章1節から27節です。投稿は二回に分けまして(1)は1節から11節です。

 

ダニエルが見た「雄羊と雄山羊の幻」は、16節を読むと天使ガブリエルのお告げだとされています。9章も同じです。

 

●1節.わたしダニエルは先にも幻を見たが、その後ベルシャツァル王の治世第三年に、また幻を見た。

 

ここ8章以降はヘブル語で書かれているそうです。

 

それは、エルサレムに帰還するユダヤ人がこれからどうなっていくのかについて書き記しているからだと思います。

 

「治世第3年」とは、恐らく紀元前548年~547年頃のことでしょう。

 

その頃にダニエルは、再び幻を見ます。

 

「先にも幻を見たが、」とは7章の幻を指しているのでしょう。

 

ダニエル69歳の頃です。

 

 

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