前置き
ヨハネの黙示録を理解するに際し、ダニエル書を知る必要があると思いました。
まず、ダニエル書の著作年代ですが、紀元前550年前後とされています。
キリスト降誕の600年ほど前です。
ダニエル書は帝国の興亡を「神の定めた時」として、その歴史的な背景を王国の時代区分で描き、将来への展望へとつなげています。
なお、ネブカドネツァル王(実際は過去の人)は、実際はアンテイオコス四世で、アンテイオコス四世は、イスラエルに対し残忍で、大量虐殺を行った人物ですが、ダニエル書はその名を直接上げないで表象化しているのではと言うことです。
このように間接的な表現で書かれたのは、政治的配慮から時の権力者に対する直接的な忠告などを避けたのだと思います。
ちなみに、イスラエルの独立戦争であるマカバイ戦争は、そのアンテイオコス四世の圧政に対抗して起こったものです。
ダニエル書の預言を一言でいうと、この地上での出来事が、天上の神が定めた時代の区部に従って進んでいる、すなわち、世界の歴史は終末に向かって神の手によってプログラムされているという歴史観です。
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