前置き(コロサイの信徒への手紙
この手紙は、パウロ系集会の中心地となったアジア州で生み出されたとされるエフェソ書と同様の「パウロの名による書簡」と言われています。
この手紙で気になるのは、ほかのパウロの書簡では、自分を多くの使徒の中の一人としているのですが、この手紙では、パウロをほとんど唯一の使徒として扱っているところです。
ですから、この手紙はパウロの没後、パウロの忠実な後継者が、パウロから受け継いだ信仰を確立するために、パウロの名によって(パウロの権威を後ろ盾にして)書いた文書ではないかということです。
この手紙の中心議題は、「人間の言い伝えにすぎない哲学、つまり、むなしいだまし事によって人のとりこにされないように気をつけなさい。
それは、世を支配する霊に従っており、キリストに従うものではありません。」(2章8節)ではないでしょうか。
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