前置き(ガラテヤの信徒への手紙)
この手紙はパウロが書いたのでしょう。
内容は、パウロ個人の伝記と初代教団の緊迫した問題について書かれており、そのことを当事者であるパウロ自身が証言し、資料を提供していることから、後世のキリスト教の歴史にも少なからず影響を及ぼしたということで、重要な文書だとされています。
さて、ガラテヤ人というのは、この手紙の著者パウロの生まれたタルソス(古代ローマ帝国の属州キリキアの首都)の北方で、今のトルコのアンカラ地方に住んでいた人たちを指しているのでしょう。
パウロはイエスの使徒とされてから、ユダヤ人以外の異邦人、つまり、ギリシア人やローマ人などにキリストの福音を伝えました。
当時ローマは世界最大の帝国ですから、ローマに福音を伝えることは、全世界に伝えることと同じことでした。
ユダヤ人以外の諸民族である異邦人には、まだキリストの福音を受け入れた人は少なく、パウロはパレスチナの北方にあるアンティオケアという大都市のキリスト教徒の集会を拠点として、そこから異邦諸民族にキリストの福音を伝えるべく小アジア(地中海と黒海に挟まれた半島)へ宣教旅行に出かけました。
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