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2024年2月10日 (土)

井戸をめぐる争い(創世記26章)

聖書の箇所は、26章15節から25節です。
15節、17節にはペリシテ人によるイサクに対する妬みによる具体的な嫌がらせが描かれています。

 

放牧の民にとっていのちの次に重要な「井戸」の水です。
その井戸、すなわち、昔、イサクの父アブラハムが僕たちに掘らせた井戸がペリシテ人によってすべて土で塞がれるという事件が起こります。
そしてペリシテ人はイサクに、その地から出ていくようにと迫ったのでした。

 

少し時間がたち、すでにアブラハムの死後塞がれてしまった、かつてアブラハムが掘っていた井戸をイサクは再び掘り返しました。
するとゲラルの羊飼いたちは、その井戸は自分たちのものだと主張したためにイサクの羊飼いたちの間に言い争いが起こりました。

 

仕方なく、イサクはさらに移動して、もうひとつ別の井戸を掘りました。
そこからさらにイサクはべエル・シェバに行き、そこでも新たな井戸を掘りました。

 

 

●15節.ペリシテ人は、昔、イサクの父アブラハムが僕たちに掘らせた井戸をことごとくふさぎ、土で埋めた。
●16節.アビメレクはイサクに言った。「あなたは我々と比べてあまりに強くなった。どうか、ここから出て行っていただきたい。」

 

恵まれたイサク(14節)に対するペリシテ人の妬みが続き、とうとうペリシテ人は「アブラハムが僕たちに掘らせた井戸をことごとくふさぎ、土で埋めた。」のです。

 

そうして「あなたは我々と比べてあまりに強くなった。どうか、ここから出て行っていただきたい。」と言ってきたのです。

 

しかし、この「アブラハムが僕たちに掘らせた井戸」を埋めるのはアブラハムとアビメレクの約束だる「わたしの手からこの七匹の雌の小羊を受け取って、わたしがこの井戸(ベエル)を掘ったことの証拠としてください。」(21章30節)「それで、この場所をベエル・シェバと呼ぶようになった。二人がそこで誓いを交わしたからである。」(同31節)に違反します。

 

今のペリシテの王アビメレクと約束した当時のアビメレクは違っているのでしょうが、明らかに約束違反です。

 

●17節.イサクはそこを去って、ゲラルの谷に天幕を張って住んだ。

 

「谷」は、地中海性気候ゆえに雨が降る冬にだけ水が流れ、夏には涸れてしまます。

 

●18節.そこにも、父アブラハムの時代に掘った井戸が幾つかあったが、アブラハムの死後、ペリシテ人がそれらをふさいでしまっていた。イサクはそれらの井戸を掘り直し、父が付けたとおりの名前を付けた。

 

イサクは、ペリシテの王アビメレクとアブラハムの契約を盾に交渉することもできましたが、むしろその場を離れています。(17節)
そして、イサクは、父アブラハムの時代に掘ってあった井戸を、再び掘ります。

 

その井戸は、ペリシテ人がアブラハムの死後、ふさいでいたものでした。
イサクは、「父が付けたとおりの名前を付け」ました。

 

それは、イサクが父アブラハムから主の約束、すなわち、カナンの地をアブラムとその子孫に与える、そして、彼の子孫を地のちりのようにならせるとする約束を信じていたからでしょう。

 

そのうえで、自分の力でアビメレクと対立するよりも、主の祝福の約束を信じて対立を避けたのでしょう。

 

●19節.イサクの僕たちが谷で井戸を掘り、水が豊かに湧き出る井戸を見つけると、
●20節.ゲラルの羊飼いは、「この水は我々のものだ」とイサクの羊飼いと争った。そこで、イサクはその井戸をエセク(争い)と名付けた。彼らがイサクと争ったからである。
●21節.イサクの僕たちがもう一つの井戸を掘り当てると、それについても争いが生じた。そこで、イサクはその井戸をシトナ(敵意)と名付けた。

 

イサクは争いを避けて別の場所に、すなわち、アブラハムの死後ペリシテ人によりふさがれていたいくつかの井戸を掘りますが、一つは「ゲラルの羊飼い」と争いになり、もう一つの井戸を別の場所に掘ると、今度も争いになります。

 

●22節.イサクはそこから移って、更にもう一つの井戸を掘り当てた。それについては、もはや争いは起こらなかった。イサクは、その井戸をレホボト(広い場所)と名付け、「今や、主は我々の繁栄のために広い場所をお与えになった」と言った。

 

「イサクはそこから移って、更にもう一つの井戸を掘り当て」ます。
今度は三度目です。

 

今度は「もはや争いは起こらなかった。」ので、「イサクは、その井戸をレホボト(広い場所)と名付けます。

 

「今や、主は我々の繁栄のために広い場所をお与えになった」と言った。」は、イサクが主の言葉に従い忍耐強く対処したので実を結んだということでしょう。

 

●23節.イサクは更に、そこからベエル・シェバに上った。

 

「 ベエル・シェバ」については、21章31節から33節で、その聖所起源説話が伝承として語られていて、その意味は「誓いの井戸」です。
聖所なので「上った」と表現されているのでしょう。

 

●24節.その夜、主が現れて言われた。
「わたしは、あなたの父アブラハムの神である。
恐れてはならない。わたしはあなたと共にいる。
わたしはあなたを祝福し、子孫を増やす
わが僕アブラハムのゆえに。」

 

主が現れてイサクに語ります。

 

「わが僕アブラハムのゆえに、あなたを祝福し、子孫を増やす」とあります。
イサクが、祝福されているのは父アブラハムのゆえにです。

 

この主の呼びかけは、主がイサクを励まされているのでしょう。
それは、ペリシテの地で、井戸を掘る上で何度も争いになったので、主がその信仰を励ます意味があったのでしょう。

 

●25節.イサクは、そこに祭壇を築き、主の御名を呼んで礼拝した。彼はそこに天幕を張り、イサクの僕たちは井戸を掘った。

 

イサクは、ベエル・シェバに上り「祭壇を築き、主の御名を呼んで礼拝し」、「天幕を張り、イサクの僕たちは井戸を掘った。」のです。

 

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