イサクの誕生(創世記21章)
聖書の箇所は、21章1節から8節です。
老齢のアブラハムとサラとの間に子が生まれるだろうという主の予告が成就します。この予告は17章と18章で繰り返されていましたが、もとの物語は、19章と20章はなく18章から21章へ直接つながっていて、編集過程で、あとで19章のソドムの物語や、20章の「妻を妹と偽る話」が挿入されたのではないかとされています。
●1節.主は、約束されたとおりサラを顧み、さきに語られたとおりサラのために行われたので、
●2節。彼女は身ごもり、年老いたアブラハムとの間に男の子を産んだ。それは、神が約束されていた時期であった。
サラは、アブラハムとの間に「主が約束された通り、・・神が約束されていた時期」に子供を産みます。約束の成就です。参考箇所は下記のとおりです。
17章21節「しかし、わたしの契約は、来年の今ごろ、サラがあなたとの間に産むイサクと立てる。」
18章10節「彼らの一人が言った。
「わたしは来年の今ごろ、必ずここにまた来ますが、そのころには、あなたの妻のサラに男の子が生まれているでしょう。」サラは、すぐ後ろの天幕の入り口で聞いていた。
●3節.アブラハムは、サラが産んだ自分の子をイサクと名付け、
●4節.神が命じられたとおり、八日目に、息子イサクに割礼を施した。
「イサクと名付け」の名前は、17章19節で主によって「その子をイサク(彼は笑う)と名付けなさい」と指定されていました。
生まれてから「八日目」の割礼は、17章12節で主によって定められています。
この八日目というのは、おかしな差別規定ですが、出産に伴う出血を「穢れ」とみなしていたので、その穢れが清められるまで七日間かかる、ということらしいです。
出産による出血だけでなく経血までもイスラエル社会では「穢れ」として女性差別の根拠とされてきました。
●5節.息子イサクが生まれたとき、アブラハムは百歳であった。
●6節.サラは言った。
「神はわたしに笑いをお与えになった。聞く者は皆、わたしと笑い(イサク)を共にしてくれるでしょう。」
長い間、子を与えられなかった女が神によってそれが与えられた時、それも奇跡の子、その喜びはひとしおのようです。その気持ちが、「神はわたしに笑いをお与えになった。」によく現れています。
●7節.サラはまた言った。
「誰がアブラハムに言いえたでしょう、サラは子に乳を含ませるだろうと。
しかしわたしは子を産みました年老いた夫のために。」
イサクは「彼は笑う」という意味だそうです。
アブラハムは100歳、サラは90歳です。
とても子供を産める年齢ではないのに子供を産みました。
この奇跡に、あまりにも奇想天外な出来事であったので、サラは自分自身も笑いましたが、「聞く者は皆」笑いました。
●8節.やがて、子供は育って乳離れした。アブラハムはイサクの乳離れの日に盛大な祝宴を開いた。
古代イスラエルでは、生後24ケ月目で乳離れさせるそうです。
父アブラハムはイサクの乳離れの日に「盛大な祝宴を開いた。」とあります。
人が乳離れすることはその家族にとってとても幸いなことであったことがわかります。
ところが、乳離れした後でハガルの産んだイシュマエルがイサクをからかっているところをサラは目撃しました。(9節)
« ゲザル滞在(創世記20章) | トップページ | ハガルとイシュマエル(創世記21章) »
「創世記を読む」カテゴリの記事
- 赦しの再確認・ヨセフの死(創世記50章)(2024.08.01)
- ヤコブの埋葬(創世記50章)(2024.08.01)
- ヤコブの死(創世記49章)(2024.08.01)
- ヤコブの祝福(創世記49章)(2024.07.24)
- ヤコブ、ヨセフの子らを祝福する(創世記48章)(2024.07.21)
コメント