預言者ウリヤの死(エレミヤ書26賞)
聖書の箇所は、26章20節から24節です。
●20節.主の名によって預言していた人がもうひとりいた。それは、キルヤト・エアリムの人、シェマヤの子ウリヤである。彼はこの都とこの国に対して、エレミヤの言葉と全く同じような預言をしていた。
ミカに続いてエレミヤと同じ内容の預言をした預言者ウリヤの死の記事が記されています。
旧約聖書には、ウリヤの預言書の記述はないです。
ウリヤについては、ここだけに記されていて、詳しいことはわからないそうです。
主の言葉を託された預言者で、その預言の言葉で危険な目に会ったのはエレミヤだけではなかったのです。ほかにもエレミヤのように真の主の言葉を告げる預言者がいたのです。
●21節.ヨヤキム王は、すべての武将と高官たちと共に彼の言葉を聞き、彼を殺そうとした。ウリヤはこれを聞いて、恐れ、逃れて、エジプトに行った。
●22節.ヨヤキム王はアクボルの子エルナタンを、数人の者と共にエジプトに遣わした。
●23節.ウリヤはエジプトから連れ戻され、ヨヤキム王の前に引き出された。王は彼を剣で撃ち、その死体を共同墓地へ捨てさせた。
●24節.しかし、シャファンの子アヒカムはエレミヤを保護し、民の手に落ちて殺されることのないようにした。
旧約聖書には、ウリヤの預言書の記述がないのは、ウリヤはその預言のゆえに「ヨヤキム王とすべての武将と高官たち」に殺されかけたので「恐れ、逃れて、エジプトに行った。」ですから、自分の命を救おうとしてエジプトに逃げたからなのでしょう。
エレミヤは、同じような事態に、26章14節で「わたしはお前たちの手中にある。お前たちの目に正しく、善いと思われることをするがよい。」と言って逃げたりはしていません。
ウリヤはその後「ウリヤはエジプトから連れ戻され、ヨヤキム王の前に引き出された。王は彼を剣で撃ち、その死体を共同墓地へ捨てさせた。」とあります。
反対にエレミヤは、「シャファンの子アヒカム」に保護され殺されることはなかったとしています。アヒカムは、ヨシヤ王の治世の時に書記官として務めていた人物です。
このエレミヤを保護した「アヒカム」という人は、その子孫と共に主の言葉に忠実で主を畏れていた数少ないユダヤ人であったのでしょう。
そして、エレミヤが真の預言者であるという確信を持っていたのでしょう。
なお、アヒカムの子「ゲダルヤ」は、エルサレムがバビロンによって破壊された後に、ネブカデネザル王が、彼をわずかに残ったユダヤ人の上に総督として立てました(エレミヤ39章14節)。
なお、アヒカムの父シャファンについては、列王記下22章2~14節にあります。
後に、アヒカムの息子ゲダルヤもエレミヤをがばっていますが、反対の勢力によって暗殺されています(エレミヤ書39章14節、40章5から7節参照)。
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