ミカ書前置き(ミカ書を読む)
旧約聖書には、預言書は、大預言書が5、小預言書が12ありますが、ミカ書は小預言書のひとつで、捕囚期前の預言書です。
ミカの名前の意味は「誰がヤハウェのようであるか」と言うことです。
著者のミカは、南ユダ王国の王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代に活動した預言者です(1節)。
彼らは、紀元前740年ごろから680年ごろまで南ユダ王国を統治していました。
この時期、北イスラエル王国では、ホセアやアモスが預言者として働いていました。南ユダでは、イザヤと活動時期が重なります。
ミカの預言は主に北イスラエルのサマリヤに関するもので、聞いたのは南ユダ王国の住民です。
紀元前8世紀ですから、多くの預言者が預言した時期です。神様の働きが活発であったのでしょう。
同じ時期に預言者が多く出たのは、長期安定政権を築いていたウジヤ王が亡くなって、その子ヨタムがその跡を継いで王となったとき、アッシリア帝国が勢力を伸ばして来ていて、脅威となってきた時代であったからでしょう。
北イスラエルも南ユダも破壊されて民は捕囚に会うのですが、両国ともその破壊の前に繁栄期を迎えています。
その繁栄、豊かさの中で預言者たちが次々と現れ、その後に来る破滅を警告したと言うことです。
預言者ミカは、1章1節によれば、「モレシェト人」とありますから、モレシェトの出身という意味でしょう。
また、「モレシェトの人」は、14節の「モレシェト・ガト」のこととでしょう。(歴代誌下11章5,8節参照)、
モレシェトは、エルサレムの南西約30キロに位置する町だそうで、この場所はアッシリアの王セナケリブが紀元前701年に奪った後にペリシテ人にゆだねてから「モレシェット・ガット」と言われるようになったということです。
ミカが活動した時代の背景は、南ユダ王国の王ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの時代です。
ミカ書の内容は、キリスト(メシア)の初臨と再臨によるメシア王国、そして新天新地(ヨハネの黙示録21章)における新しいエルサレムの領域についての預言がなされているように見えます。
「ミカ書」と言えば、クリスマスの時期にキリスト(救い主)がどこで生まれるかという聖書的根拠として、特に、5章2節のみが引用される程度ではないかと思います。
つまり、ベツレヘム(=エフラテ)からイスラエルの偉大な支配者(牧者)が出るという預言ですが、これだけでもすごい価値のある預言だと思います。
« ニネベの悔い改め(ヨナ書を読む)3章 | トップページ | 神の審判(ミカ書を読む) 1節 »
「ミカ書を読む」カテゴリの記事
- 主の告発(ミカ書を読む)7章(2022.05.27)
- 民の腐敗(ミカ書を読む) 7章(2022.05.27)
- 主の告発(ミカ書を読む)6章(2022.05.27)
- 終わりの日の約束(2)(ミカ書を読む) 5章(2022.05.27)
- 終わりの日の約束(1)(ミカ書を読む) 4章(2022.05.27)
コメント