偽りの悔い改め(ホセア書6章)
聖書の箇所は、6章1節から6節です。
この箇所は、5章8-15節と同じ状況の中で語られているのでしょう。
即ち、北の強国アッシリアの脅威におびえる北イスラエルが、他国との同盟によってこれに対抗しようとしましたが、兄弟国である南ユダ王国はこれに加わらず、主の言葉をも聞かず、貢物をしてアッシリアに助けを求めます。
そのような状況の中で、シリア・エフライム戦争(前733年)が勃発します。
結果は、北イスラエル(エフライム)にとって惨澹たるものでした。
しかし、その悲惨の原因は、神ではなく政治的な力によって切り抜けようとする不信仰にあったのです。
このように、他者に助けを求めることで神を軽視する不信仰を、神は裁きます。
神は、「エフライムに対して獅子となり…引き裂いて過ぎ行く」(5章14節)ものとなり、「立ち去る」(5章15節)と言われます。
しかし、その期間は、「彼らが罪を認めて、わたしを尋ね求め、苦しみの中で、わたしを捜し求めるまで」(5章15節)といわれています。
神の裁きの目的は、裁きによって絶滅させることにあるのでなく、民が悔い改めて恵みに与かることにあったのです。
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