イスラエルの回復(ホセア書2章)
聖書の箇所は、2章1節から3節です。
2章は1章と文学的にはつながっていません。2章はホセアの預言を集めたものですが時間軸に沿っていないのです。
2章は、1章のイスラエルの裁きと、3章の物語による救いの思想との関連が明らかにされている点で、1章と実質的な関係があります。
つまりこの章は、ホセア書全体の中で、1章と3章をつなぐ橋としての役割を果たしていて、1-3章の文学的なまとまりを形成しています。
そのまとまりは五つの預言からなっていて、1-3節(イスラエルの回復)、4-15節(イスラエルの背信)、16・17節(イスラエル救いの日)、18-22節(イスラエル救いの日)、23-25節(イスラエル救いの日)の5つです。
イスラエルの民の裁きを通して救いへと導く、神の意志を知らせるものです。
1-3節の救いの預言は、4節以下の裁きの言葉を越えて、25節へとつなげています。
1章に比べて2章が、神の救いが支配するとの言葉で始まっているため、その事態の急展開に戸惑いを覚えさせられます。
それは、神の福音と言うものは、終わりになって始めて完全に理解できるものであるから人間には驚くべきもの、戸惑いを覚えるもの、人間の理解を超えた彼方にあるものだと言うことでしょう。
キリストの十字架による救いなどは、本当にわたしたちの理解を超えた彼方の出来事です。ホセアには想像も出来なかった事態でしょう。
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