レムエルの言葉(31章)
聖書の箇所は、31章1節から9節です。
●1節.マサの王レムエルが母から受けた諭しの言葉。
新改訳は、「マサの王レムエルが母から受けた戒めのことば。」です。
マッサの王レムエルの言葉、すなわちその母が彼に教えたものです。
レムエルというのはソロモンの母バテ・シェバが、自分の子ソロモンを呼んだ時のニックネームではないか、と言われています。
●2節.ああ、わが子よ/ああ、わが腹の子よ/ああ、わが誓いの子よ。
新改訳は、「私の子よ、何を言おうか。私の胎の子よ、何を言おうか。私の誓願の子よ、何を言おうか。」です。
レムエルの母は、子供が生まれる前に神に誓願を立てています。
●3節.あなたの力を女たちに費やすな。王さえも抹殺する女たちに/あなたの歩みを向けるな。
新改訳は「あなたの力を女に費やすな。あなたの生き方を王たちを消し去る者にゆだねるな。」です。
4節を読むと、ここは濃い酒を求めたときの女遊びの過ちを言っているのでしょう。酒には、十分注意して、その欲から離れることが大切であると言うことでしょう。王が陥る過ちの一つが、女です。
●4節.レムエルよ/王たるものにふさわしくない。酒を飲むことは、王たるものにふさわしくない。強い酒を求めることは/君たるものにふさわしくない。
新改訳は、「レムエルよ。酒を飲むことは王のすることではない。王のすることではない。」です。
「強い酒はどこだ。」とは、君子の言うことではない、と言っています。
酒に飲まれると、なすべきことを忘れ、判断力が鈍り、人間が豹変することがよくあります。
●5節.レムエルよ/王たるものにふさわしくない。酒を飲むことは、王たるものにふさわしくない。強い酒を求めることは/君たるものにふさわしくない。
新改訳は、「酒を飲んで勅令を忘れ、すべて悩む者のさばきを曲げるといけないから。
酒を飲んで楽しんだとしても、その意味は神の掟を忘れ、すべて悩む者のさばきを曲げる。判断力が鈍るという意味である。
「勅令を忘れ、すべて悩む者のさばきを曲げる」ですから、王は勅令を出す立場におり、また人々の仲裁をしなければいけないので、明晰な分析力と判断力が要求される立場にいるからです。
●6節.強い酒は没落した者に/酒は苦い思いを抱く者に与えよ。
新改訳は、「強い酒は滅びようとしている者に与え、ぶどう酒は心の痛んでいる者に与えよ。」です。
●7節.飲めば貧乏を忘れ/労苦を思い出すこともない。
新改訳は、「彼はそれを飲んで自分の貧しさを忘れ、自分の苦しみをもう思い出さないだろう。」です。
確かに、酒を飲むと心の痛みを癒し、貧しさとか苦しみを一時的に忘れさせますが、それが現実から逃避しているだけです。現実は何も変わりません。
逆にお酒というのは、人を滅ぼし、心に痛みを増し加え、貧困をもたらすことが多い。
●8節.あなたの口を開いて弁護せよ/ものを言えない人を/犠牲になっている人の訴えを。
新改訳は、「あなたはおしのために、また、すべての不幸な人の訴えのために、口を開け。」です。
あなたは「ものを言えない人/犠牲になっている人」の訴えのために口を開くがよい。
それらの人に代わって、その意味を伝えなさいでしょう。
●9節.あなたの口を開いて正しく裁け/貧しく乏しい人の訴えを。
新改訳は、「口を開いて、正しくさばき、悩んでいる人や貧しい者の権利を守れ。」です。
8節を受けて、口を開いて、正しいさばきを行い、貧しい者と乏しい者の訴えをただせ、でしょう。
王は、自分の力では訴えることができない人たちを代弁しなければいけない、ということです。
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