愚かな女(9章)
聖書の箇所は、9章13節から18節です。
●13節.愚かさという女がいる。騒々しい女だ。浅はかさともいう。何ひとつ知らない。
新改訳は、「愚かな女は、騒がしく、わきまえがなく、何も知らない。」です。
●14節.自分の家の門口に座り込んだり/町の高い所に席を構えたりして
●15節.道行く人に呼びかける/自分の道をまっすぐ急ぐ人々に。
新改訳は、「まっすぐに歩いて行く往来の人を招いて言う。」です。
高貴な知恵の女が、通りで、高い所で、大声で叫んだように、同じことを愚かな女がやっています。
本来なら隠れたところで、暗がりでやっていたのですが、公の場では知恵が叫んでいるので競争して、自分も前に出てきているのでしょう。
これまでは隠れたところでしか見ることができなかったものが、表に出てきたと言うことでしょう。
●16節.「浅はかな者はだれでも立ち寄るがよい。」意志の弱い者にはこう言う。
新改訳は、「わきまえのない者はだれでもここに来なさい。」と。また思慮に欠けた者に向かって、彼女は言う。」です。
「思慮に欠けた者」の原語は、「心の欠けている者」だそうです。
その人の考え(意志)がその人の思いや行動を支配するので、たとえ人が思慮に欠け、意志が弱かったとしても、知恵も愚かな女も「知性」(考え)に訴えるのです。
最初の招きの言葉が同じでも、招かれて口にするものが異なるのです。
そしてその結果は、二者択一で、「いのち」か「死」です。
●17節.「盗んだ水は甘く/隠れて食べるパンはうまいものだ。」
「盗んだ水」というのは、自分の妻のものではない女から得られる性的満足のことを指すのでしょう。それが甘く、うまい、と言っています。
●18節.そこに死霊がいることを知る者はない。彼女に招かれた者は深い陰府に落ちる。
新改訳は、「しかしその人は、そこに死者の霊がいることを、彼女の客がよみの深みにいることを、知らない。」です。
妻でない女にいったん手を出したら、それで終わりません。
誘惑する者は不用心な人を罪に陥るように唆すことにとても熱心です。
肉の快楽、官能の快楽は良心を麻痺させ、罪の認識を消し去ります。
この誘惑する者は、確固たる理由もなく、人を唆すのにはたけていて、執拗です。
支配されると、その人がもつ聖なるものに関するすべての知識は失われ忘れられる。
そして、「死霊」(死に導く霊)につかまって「深い陰府」に落ちるのです。
最後は死を迎え、地獄の入り口である穴が大きく開いているのです。
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