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2021年10月30日 (土)

父の諭し⑻(6章)

聖書の箇所は、6章20節から35節です。
この箇所は、「父の諭し」の第八回目です。
わが子を諭す父の教えという設定の段落で、ここで8回目になるいうわけです。子どものことを思って繰り返し、冒頭の言葉(20節)の通り、「わが子よ、父の教えを守れ。母の教えをおろそかにするな」と語り続けているのです。

 

諭しの中心点は、悪い女・異邦の女、人妻や友人の妻と姦通するならば、身の破滅を招くという警告です。
どのような償いをしても相手の夫はその償いを受け入れることはなく、嫉妬に怒り刈られ復讐するとき、彼に報復して容赦せず、としてしています。
姦通罪の恐ろしさを、両親は子に教えようとしているのでしょう。

 

●20節.わが子よ、父の戒めを守れ。母の教えをおろそかにするな。

 

箴言における父と母の主にある教育は、天における神の家族を実現するための、地上における取り組みと言えるのでしょう。
神に選ばれた男と女が結婚して、そこに子が与えられて家族がつくられますが、その家族の中に神のご計画が現わされるのでしょう。
しかも、「父」「母」「子」にはそれぞれ担うべき務めがあります。

 

神にある家族の中での父の役割は、「強い家」「確固とした家」を備える存在。
母の役割は、家族を一つに結び合わせる役割です。
子の役割は、「家を継承する」役割と言えます。

 

 

 

●21節.それをいつもあなたの心に結びつけ/首に巻きつけよ。
●22節.それはあなたの歩みを導き/あなたが横たわるとき見守り/目覚めればあなたに話しかける。
新改訳は、「これは、あなたが歩くとき、あなたを導き、あなたが寝るとき、あなたを見守り、あなたが目ざめるとき、あなたに話しかける。」です。

 

父母の教えを「いつもあなたの心に結びつけ/首に巻きつけよ。」と言っています。そして、それは、あなたの歩みを導き、無防備な時も見守り、目覚めていれば話しかけると言っています。

 

●23節.戒めは灯、教えは光。懲らしめや諭しは命の道。
新改訳は、「命令はともしびであり、おしえは光であり、訓戒のための叱責はいのちの道であるからだ。」です。

 

●24節.それはあなたを悪い女から/異邦の女の滑らかな舌から守ってくれる。
新改訳は、「これはあなたを悪い女から守り、見知らぬ女のなめらかな舌から守る。」です。

 

父の教えはともしびであり光で、わたしたちが歩むべき道を教えてくれます。その道は命に至る道です。
叱責は、わたしたちが歩むべき道を間違えば正してくれます。
そして、それは「悪い女から/異邦の女の滑らかな舌から」あなたを守ってくれる。

 

●25節.彼女の美しさを心に慕うな。そのまなざしのとりこになるな。
●26節.遊女への支払いは一塊のパン程度だが/人妻は貴い命を要求する。
新改訳は、「遊女はひとかたまりのパンで買えるが、人妻は尊いいのちをあさるからだ。」です。

 

ここに書かれていることは、一言でいえば、「悪い女から/異邦の女」と「不倫をしてはいけない」ということです。
当時は、ひとかたまりのパンで女を買うことができたようです。

 

けれども人妻の場合は、自分の尊いいのちを「あさる」のです。
「あさる」とはどういうことか、続けて読んでみます。

 

●27節.火をふところにかきこんで/衣を焼かれない者があろうか。
●28節.炭火の上を歩いて/足にやけどをしない者があろうか。
●29節.友人の妻と通じる者も同様。彼女に触れれば、罰せられずには済まない。
新改訳は、「隣の人の妻と姦通する者は、これと同じこと、その女に触れた者はだれでも罰を免れない。」です。

 

「火をふところにかきこんで・・炭火の上を歩いて」ですが、人妻の場合夫がいますので、その夫の逆鱗に触れる、ということを指しているのでしょう。

 

これはちょうど、火をふところに「かきこんで」、熱い火を踏む(炭火の上を歩く)ことに喩えているのでしょう。
聖書は、「悪い女から/異邦の女」との不倫は、火遊びどころのことではないこと、もっともっと厳しい現実を教えているのでしょう。

 

●30節.飢えを満たそうとして盗みを働いた者を/だれも侮りはすまいが
新改訳は、「盗人が飢え、自分の飢えを満たすために盗んだとしたら、人々はその者をさげすまないであろうか。」です。
●31節.それでもつかまれば、七倍の償いをし/家財の一切をそれにあてなければならない。
新改訳は「もし、つかまえられたなら、彼は七倍を償い、自分の家の財産をことごとく与えなければならない。」です。

 

たとえやむを得ず「飢えを満たそうとして盗みを働いた者」であっても、人はその者を侮り、捕まれば、七倍の償いをし/家財の一切をそれに」なると言っています。

 

だから、「悪い女から/異邦の女」との不倫の代償は、もっと厳しいものだということでしょう。そう、身の破滅を招くのです。

 

●32節.人妻と密通する者は意志力のない男。身の破滅を求める者。
新改訳は、「女と姦通する者は思慮にかけている。これを行なう者は自分自身を滅ぼす。」です。
●33節.疫病と軽蔑に遭い、恥は決してそそがれない。
新改訳は「彼は傷と恥辱とを受けて、そのそしりを消し去ることができない。」です。
●34節.夫は嫉妬と怒りにかられ/ある日、彼に報復して容赦せず
新改訳は「嫉妬が、その夫を激しく憤らせて、夫が復讐するとき、彼を容赦しないからだ。」です。
●35節.どのような償いをも受け入れず/どれほど贈り物を積んでも受け取りはすまい。
新改訳は「彼はどんな償い物も受けつけず、多くの贈り物をしても、彼は和らがない。」です。

 

「悪い女から/異邦の女」との不倫の代償も厳しいが、人妻と姦淫の罪を犯したら、人妻の夫が激しく怒るのは当たり前です。
夫は決してそれを許さないでしょう。

 

しかし、わたしたちはそれを知りながら、愚かにも不倫を犯してしまいます。
だから、そのようにならないために「主を畏れることは知恵の初め」とコヘレトは忠告しています。

 

「わが子よ。父の諭しに聞き従え。母の教えをおろそかにするな。」(1の8)、「わが子よ。父の戒めを守れ。母の教えをおろそかにするな。それをいつも、あなたの心に結びつけ、首に結びつけよ。」(6の20から21)と厳しく育てるのも、そこに神のご計画と神のみこころと目的が深くかかわっているからでしょう。

 

このようにして家庭と言うものをみると、理想の家庭と言うものは、子どもに対して神の教えによって教育する両親の存在と、そしてそれを神の教えとして聞き従うことのできる子の存在があることです。

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