知恵の勧め⑵(3章)
聖書の箇所は、3章13節から20節です。
この箇所は、二つに分けることが出来ます。
ひとつは、幸いな人とは「知恵に到達した人」であり、その知恵によって得る者は、「銀によって得るものにまさり、」、彼女によって収穫するものは金にまさる」です。
もうひとつは、知恵は天と地の創造と根源的に深くかかわっているということです。
●13節.いかに幸いなことか/知恵に到達した人、英知を獲得した人は。
●14節.知恵によって得るものは/銀によって得るものにまさり/彼女によって収穫するものは金にまさる。
●15節.真珠よりも貴く/どのような財宝も比べることはできない。
「幸いなこと」が強調されていますが、そこには条件があって、幸いなのは「知恵に到達した人、英知を獲得した人」です。
そして、知恵に到達した人は、「知恵を見いだした人」(単数形)です。英知を獲得した人は、「英知を得た人(単数形)」であり、また「知恵をつかんだ人(複数)」です。そのような人こそ幸いなのです。
「知恵を見いだした人」と「英知をいただく人」とは同義で、熱心に捜し求めていたものを「見つけた」という意味です。
8章35節に「わたしを見いだす者は命を見いだし、主に喜び迎えていただくことがっ出来る。」とありますから、根源的な事柄を見いだした者には、泉から湧き出るかのようにさまざまな祝福が流れ出てくるようになるということでしょう。
このことは、「銀の儲け、黄金にまさり、真珠よりも尊い、」(14節・15節)となります。
「真珠」は、根源的・本源的な事柄を象徴していて、それを捜し求める者は幸いだと言うことでしょう。
●16節.右の手には長寿を/左の手には富と名誉を持っている。
ソロモンの生涯がそうでした。彼の手には富と誉れがありました。当時の世界では、ソロモンの王国が世界最強でした。それほど豊かで恵まれていました。
この時代、イスラエルが、なぜそのようになったかは、この時のイスラエルの周辺国が弱かったからだとされています。
●17節.彼女の道は喜ばしく/平和のうちにたどって行くことができる。
「喜ばしく/平和」は、神の知恵と共に歩むときの特長です。
今であれば、御霊と共に歩む、と言うことでしょう。
●18節.彼女をとらえる人には、命の木となり/保つ人は幸いを得る。
「彼女をとらえる人」とは、「英知を得た人(単数形)」であり、また「知恵をつかんだ人(複数)」(知恵を固く握る者)っであり、根源的・本源的な知恵を見いだすだけでなく、それを堅く握って、つかんで離さず、そこから多くのものを引き出すことができる者は幸いだと言っているのでしょう。
「命の木」とは、エデンの園にあったいのちの木(2章9節)のことでしょう。
命の木からとった実を食べると永遠に生きるものとなるとされています。
●19節.主の知恵によって地の基は据えられ/主の英知によって天は設けられた。
●20節.主の知識によって深淵は分かたれ/雲は滴って梅雨を置く。
「主の知恵」は、主の言葉とも言いますが、それは悪を離れることでしょう。
ここでは、「地の基は据えられ」「天は設けられ」ですから、創世記の天地創造における神の働きを知恵(コロサイ書1章16節は、この知恵をキリストとしています。)と呼んでいるのでしょう。
先在者である「知恵」の存在、つまり、先住者としての神の知恵である御子キリストによって、天と地が創造されたと言うことです。
しかし、知恵だけではなく「主の知識によって深淵は分かたれ/雲は滴って梅雨を置く。」とありますから、天地創造には天の会議が開かれたことが想像されます。
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