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2019年10月13日 (日)

大いなる救い(2章)

聖書の箇所は、ヘブライ人への手紙2章1節から4節です。

 

●1節.だから、わたしたちは聞いたことにいっそう注意を払わねばなりません。そうでないと、押し流されてしまいます。

 

「だから」は、1章から続いて「わたしたちは聞いたこと」、すなわち、永遠の御国を相続されるキリストと、キリストの福音を受け入れて救いにあずかった者がキリストと共同の相続人として御国を相続する、ということでしょう。

 

そこでこの手紙の著者は、この救いについて「聞いたことにいっそう注意を」払い、心に留めて、押し流されないようにと警告しています。

 

「押し流される」とは、海を航行している船が、潮の流れによって違う方向に流されてしまい、救助が必要な状態を指しますから、それと同じように、救いについて、間違った教えに流されていつの間にか福音の道から離れていってしまい、もう取り返しのつかない状況にならないようにしなさい、という勧告でしょう。

 

この手紙がヘブライ人あてに書かれていますから、おそらく、もともとユダヤ教徒であったが、イエスを救い主と信じてキリストの集会に加わった信徒たちの中に、ユダヤ人の間違った教えに惑わされて、元のユダヤ教の中に舞い戻ろうとしている信徒がいたから、その者に勧告しているのではないかと思うのです。

 

 

 

●2節.もし、天使たちを通して語られた言葉が効力を発し、すべての違犯や不従順が当然な罰を受けたとするならば、

 

●3節.ましてわたしたちは、これほど大きな救いに対してむとんちゃくでいて、どうして罰を逃れることができましょう。この救いは、主が最初に語られ、それを聞いた人々によってわたしたちに確かなものとして示され、

 

「天使たちを通して語られた言葉」(2節)というのは、旧約聖書のモーセ律法のことでしょう。

 

モーセ律法は、当時のユダヤ教では、「天使たちを通し、仲介者の手を経て制定されたもの」と理解されていました(ガラテヤ3章29節、使徒言行録7章38節と53節)。

 

すなわち、イエスが天使よりはるかに優れる方であることを強調したのは、天使を通して語られた言葉(律法)に対する違反が罰を受けたのであれば、その天使よりはるかに優れる御子によって語られた救いの言葉を「むとんちゃく」(3節)に扱うことがどれほど重大な神への背きになるかを強調するためであったということでしょう。

 

そのモーセ律法には、違反(行いに対する)に対する厳しい処罰が定められていたので、その天使を通して与えられた律法が「効力を発し、すべての違犯や不従順が当然な罰を受けた」、すなわち、律法違反となる行いが、しっかりと罰せられていたならば、当然、死刑とか厳しい処罰で罰せられていたでしょう。

 

ましてや、御子は天使はるかに優る方であるから、その御子によってこの終わりの時に最終的に語られた救いの言葉、すなわちキリストによって語られて福音の言葉は、モーセ律法に対するよりもはるかに真剣に、厳粛に受け止めなければならない。

 

その救いの言葉に「むとんちゃくで」(3節)いるならば、あなたがたは、神からの処罰をまぬかれることはできません、とユダヤ人が律法を守れなかったことを例に挙げて警告しているのでしょう。

 

●4節.更に神もまた、しるし、不思議な業、さまざまな奇跡、聖霊の賜物を御心に従って分け与えて、証ししておられます。

 

わたしたちが受けたこの「大いなる救い」は、「主が最初に語られ、それを聞いた人々(イエスの直弟子)によってわたしたちに確かなものとして示され、」(3節)たと著者は言っています。

 

こうして福音の言葉が伝えられてきた経過を語っていることから、この手紙の読者(著者も)は、最初の使徒たちから福音を聞いて信仰に入った世代ですから、第二世代のキリスト者であることになります。

 

しかし、第二世代のキリスト者は、その告知を伝え聞いて信じているだけでなく、現にいま「神もまた、しるし、不思議な業、さまざまな奇蹟、聖霊の賜物を御心に従って分け与えて、証ししておられる」のです。

 

これは2000年後の今を生きるわたしたちにも言えるのでしょう。

 

わたしたちは第二世代以降のキリスト者で、使徒たちが伝えるイエス・キリストの福音(それが新約聖書)を聞いて信じています。

 

それは、ただ伝え聞いた伝承を(新約聖書を読み)信じているのではなく、信じているのは、信じる者に与えられる内なる聖霊が証してくださっているからなのです。

 

外にある伝承と奇蹟、そして内にある聖霊による証、これらがキリスト信仰を形成し、世界人口の三分の一以上の人間を導いているのです。すごいです。

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