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2018年4月17日 (火)

人の子が来る(マルコ13章)

この箇所は、イエスの神殿の崩壊預言の中の一つです。

聖書個所はマルコの福音書13章24節から27節です。

共観福音書の並行個所は、マタイの福音書24章29節から31節、ルカの福音書21章25節から28節です。

●24節.「それらの日には、このような苦難の後、/太陽は暗くなり、/月は光を放たず、

●25節.星は空から落ち、/天体は揺り動かされる。

「それらの日」とは、もちろん終わりの日のキリスト再臨の前にくる「大きな苦難」(マルコの福音書13章14節から23節)のときです。

そののち24節と25節には、かつてなかった艱難が来ると書いてあります。

それらの日ののち、「それらの日には、神が天地を造られた創造の初めから今までなく、今後も決してないほどの苦難が来るからである。」(マルコの福音書13章19節)です。

●26節.そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。

「人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来る」の「人の子」というのはもちろんイエスのことです。

イエス自身もご自分のことを人の子と表現されています(マルコの福音書8章31節、9章31節、10章33節と34節参照)。

この言葉がキリストの再臨を示していることになるのでしょう。

旧約聖書のイザヤ書13章9節と10節には次のように予言されています。

○9節.見よ、主の日が来る/残忍な、怒りと憤りの日が。大地を荒廃させ/そこから罪人を絶つために。

○10節.天のもろもろの星とその星座は光を放たず/太陽は昇っても闇に閉ざされ/月も光を輝かさない。

まさに預言書的と言うか黙示文学の表現で預言されています。

また、新しい世が来るのに際して起こる宇宙的破局を、黙示録6章12節から14節では次のよう表現しています。

「また、見ていると、小羊が第六の封印を開いた。そのとき、大地震が起きて、太陽は毛の粗い布地のように暗くなり、月は全体が血のようになって、天の星は地上に落ちた。まるで、いちじくの青い実が、大風に揺さぶられて振り落とされるようだった。天は巻物が巻き取られるように消え去り、山も島も、みなその場所から移された。」。

ダニエル書7章13節にはイエスの再臨について、「夜の幻をなお見ていると、/見よ、「人の子」のような者が天の雲に乗り/「日の老いたる者」の前に来て、そのもとに進み」とあります。

イエスもこの個所から「人の子」を用いられたのかもしれませんね。

「日の老いたる者」の意味はよくわかりませんが、神話的表現だということです。イエスはこの語句は使われていないようです。

「人の子」が神から支配権を授けられていることを新約聖書では、「キリストは神の右に座し」と表現しています。

「雲に乗り」と言う語句は新約でもつかわれています。

●27節.そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」

人の子が雲に乗ってくる時「彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」のです。

「彼によって選ばれた人」ですから、栄光の主のもとに集められるのはキリストの民だけだということです。

苦難の中にいるキリストの民は救いの約束を信じて、イエスの再臨を強く望みます。

この言葉は、当時苦難の中で信仰を守り続ける信者たちにキリストの再臨待望をいやがうえにも盛り上がらせていたでしょう。

もちろん、イエスの言葉もさることながら、旧約聖書の預言でもあるわけですからね。

キリストの福音はイエス・キリストの十字架と復活において、すでに神の支配の到来、つまり、終わりの日が到来したことを告知しています。

キリストを信じキリストに合わせられて生きる者は、すでに終末の現実を生きているのであると宣言しているのです。

このように終末の現実に生きる者に残されている将来、それはキリスト再臨です。

その中身は、すなわち死に定められた現在の「肉体の体」が復活のキリストが着ておられる「霊の体」に変えられることです。

だから、キリストの民にとっての将来の希望は、イエスが死から復活されたように「霊の体」に変えられて復活することなのです。

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