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2018年4月27日 (金)

ユダ裏切りを企てる(マルコ14章)

聖書箇所は、マルコの福音書14章10節・11節です。

共観福音書の並行個所は、マタイの福音書26章14節から16節、ルカの福音書22章3節から6節です。

●10節.十二人の一人イスカリオテのユダは、イエスを引き渡そうとして、祭司長たちのところへ出かけて行った。

●11節.彼らはそれを聞いて喜び、金を与える約束をした。そこでユダは、どうすれば折よくイエスを引き渡せるかとねらっていた。

イエスが、ご自分で選ばれた十二弟子の一人である「イスカリオテのユダ」に裏切られることは、イエスは神の子ですからユダを弟子に選ぶときにご存じであったはずです。

なぜなら、イエスが選ばれたということは父なる神が人類救済のご計画の一環としてユダをイエスの弟子に選ばれたと言うことだと思うからです。

そしてこのこと、すなわち、仲間に裏切るものがいるということは、復活後イエスをキリストとして宣べ伝えた弟子団にとって、とても不利な事実であったと思うのです。

そして、福音書記者が弟子たちにとって不利になるような話を福音書に記載すると言うことは、それだけの理由があると思うのです。

ましてや、自分たちにとって不利な話を作りだすことなどはあり得ません。

ユダの裏切りは事実あったことだと思うのです。

それでは、ユダがイエスを裏切った動機を考えますと、11節に「彼らはそれを聞いて喜び、金を与える約束をした」とありますから、ユダが金を要求したように取れますが、裏切りの理由が他にあり交渉の中で金の話が出たとも取れます。

マタイの福音書26章14節から16節には、ユダがまず「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言ったので、祭司長たちは銀貨三十枚を支払うことを約束したということになっていますので、ユダの裏切りは金目当てであったことになります。

次にルカの福音書を見てみますと、ルカはちょっと違っていて、22章3節「しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。」同4節「ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。」とありますから、動機は金が目的ではなくサタンということになります。

このように説は様々でおそらく福音書記者にも本当のところは分からなかったのでしょう。

福音書著者はユダに動機を直接聞いたわけではないでしょうから、動機は推測するしかないということです。

ユダの行為は事実だから、自分たちにとって不利な話でも福音書に記載しなければならない。

しかし、金だけでこれだけの大事件を起こすことなど考えられないのです。

それではあまりにも単純すぎて説得力がないのです。

ユダが期待していたメシアではなかったからという意見もありますが、それだけでは、弟子の仲間から外れれば済む問題です。

金を受け取って殺すことまで必要ありません。

やはり、サタンはイエスの天敵ですから、サタンがユダに入ったとしか説明のしようがなかったのではと思うのです。

わたしも事実はそうであったと思うのです。

なお、ユダが祭司長たちに密告した内容については、マルコの11節は、イエスを引き渡す方法を問題にしているのですが、ルカの福音書22章6節では「ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。」とありますから、やはり群集が騒ぐのが怖くて(祭りの日ですから)群集の目を盗んで密かにイエスを捕らえることができる場所と機会を狙っていたと思います。
そのためにユダの密告が必要であったのでしょう。

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