あなたは、メシアです
マルコの福音書8章29節を読みます。
●29節.そこでイエスがお尋ねになった。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」ペトロが答えた。「あなたは、メシアです。」
イエスが弟子たちに「あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」と尋ねられた時に、ペトロがこのように答えたのです。
ペトロはまだこの時点では、真の意味でイエスをキリストと認識していなかったと思います。
ペトロはきっと深い意味を考えないで、当時のユダヤ人が日常よく使う言葉で、「あなたはメシアです」と答えたのでしょう。
当時のユダヤ教徒は、異教徒の支配からイスラエルを救い出して神の支配を打ち立てる 「油注がれた者」(メシア)の到来を待ち望んでいましたので、ペトロは預言者以上の働きをされるイエスにメシアの到来を見たのでしょう。
しかし、イエスがイスラエルの王となりイスラエルを異教徒の支配から救い出すメシアでなかったことは、すぐにイエスが、自分は「人々に渡される(殺される)」と語り出されたときにペトロが、メシアにはそんなことがあってはなりませんと言い、イエスがそれを叱責されたことで明らかです。
ペトロにとって、また、イスラエル民族にとって、殺されるような弱いメシアは受け入れられないのです。あってはならないことなのです。
今を生きるキリストに結ばれた者は、2000年前に死から復活されたイエスを「あなたはメシア(キリスト)です」と告白します。
その告白は、イエスが処女から生まれたこととか、福音書が伝えるような働きをされたのを知ったからではないのです。
処女降誕とか奇跡をなされたからではなく、それらはあくまで手段であって、キリストに結ばれた者がその様に告白するのは、神の御霊、聖霊の働きを受けて復活されたイエスに出会ったからなのです。
最初にその復活体験をしたのがパウロだということです。
聖霊によらなければ、だれも「イエスは主(キリスト)である」とは言えません。
そういう意味で、新約聖書は聖霊によって復活者キリストに出会った人たちの証言記録なのです。そして聖霊は今に至るまで福音を受け入れた者の中で働き、その証言を続けておられるのです。
キリストに結ばれた者が2000年前にこの地上におられたイエスを「あなたは、メシアです。」と呼ぶキリストは、イスラエルを異教徒の支配から救い出すメシアではなく、人類を罪と死の支配から救い出す救済者なのです。
何度も書きますが、聖書には、イエスはこの地上に処女降誕と言う不思議な形で生まれたとか、不思議な御業をなされたと書いていますが、だからキリストではないのです。
イエスは十字架にかけられて死から復活されたからキリストなのです。なぜなら、イエスの復活は、父なる神の御霊がなされたことだからです。
もし、イエスが墓に葬られたままで復活されていなければ、たとえイエスが不思議な御業をなしておられたとしても、イエスはキリストではないし、キリスト教と言う宗教も生まれなかったでしょう。
もちろん、クリスマスもありません。
クリスマスはイエスではなくキリスト生誕の祝祭です。2000年前にこの世に生まれ死から復活されてキリストとなられた方イエスの祝祭ですからね。
そういう意味で、キリスト教は復活信仰です。
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