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2017年7月20日 (木)

あなたがたの内に働いて

フィリピ書2章13節を読みます。
●13節.あなたがたの内に働いて、御心のままに望ませ、行わせておられるのは神である
からです。

パウロは信仰による義を主張しましたが、決してそれだけで救いは完成したとは言っていません。

パウロは、信仰の義と共に福音の言葉に従うことで救いの達成に努めるように勧めました。その理由として、キリストに結ばれた者に「あなたがたに内に働いておられるのは・・神である」と宣言しているのです。

そして、その後に「あなたたちの中で働いている」神の働き、すなわち、目的とか内容を、「何事も、不平や理屈を言わないで行いなさい」と表現しています。

神は目的をもって働かれる神ですから、その神に不平や理屈を言わないで御心に沿って行えるように願って行いなさいと言っているのでしょう。

ですから、キリストを信じる者たちが救いの達成を願い、そのために働く中では、実は神ご自身が働いておられるのです。

そして、その神が働かれているということは、神の御霊、聖霊が信じる者たちの中で働かれているのです。

パウロはそのことを「福音は、すべて信じる者を救いに至らせる神の力だ」と表現しています。力は変化をもたらせますが、その変化は人間を救いに至らせる変化です。

ここで聖霊の働きについて詳しくまとめてみます。

聖書には、聖霊は神から与えられる賜物とか、神から下って来る力というような表現をしますが、実は聖霊は神ご自身で、神ご自身がこの地上に下って来て聖霊として働いておられるのです。

聖霊は三位一体の神の三位格ですからね。

約2000年前に神の御霊、聖霊はこの地上に下って来られて、キリストの中に働いて、救いのための働きを成し遂げられました。

その働きが福音として告知されているのですが、その聖霊は今、福音を信じる者たちの中に住みキリストを復活させた力と同じ力をもって働いておられるのです。

キリストに結ばれた者の中で聖霊として働かれる神の働きは、信じる個々の人間の中で働き、その者を救いに至らせます。その働きは解放、変容、完成ですね。

解放とは、罪と死の支配力からの解放で、変容というのは、悲惨な人間の現実の中で、信じる者をキリストに似た者に変容させる過程で、完成とは、信じる者が死者の中からの復活し、神の子の栄光が完成することで、これらをパウロはキリスト者の希望と言っています。

しかし、御霊は個人の中で働かれるだけではなく、信じる者たちの共同体の中にも働かれます。

キリストに結ばれた者は、おのずから交わりをもち、この世にはない別の原理で共同体を形成します。

その共同体を新約聖書は、世から呼び出された民という意味で「エクレシア」と呼んでいます。

その共同体は、この世の原理と別の原理で形成される共同体ですから、人間の計画や努力でできることではなく、聖霊による神の働きによってなされることです。

その共同体の使命は、世界にキリストの福音を告知することです。その働きは、個人の場合と同じく、解放、変容、完成を目指すと言うことです。

なお、エクレシアは現在のキリスト教会という制度的共同体を構成する一部であってもすべてではありません。エクレシアはあくまでキリストを信じる者の集まりなのです。

そういう意味で、制度的共同体を構成する人間が変容するように、歴史の中を歩むキリスト教会も未完成なもので絶対ではなく変容するのです。

それにこの世で必要なもので、来世では必要ありませんから一時的なものです。

したがって、エクレシアという共同体は、神が人類を救われる歴史、すなわち神の救済史の担い手となって働くためにこの世において存在するのです。

そういう意味で、キリストの神は歴史の中に働く神です。

納得です。聖書の神は具体的で凄いですね。

ちょっと聞いた話ですが、世界には、神を崇める宗教が多々ありますが、存在論をもっているのは聖書だけだということです。

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