神は唯一
ローマの信徒への手紙 3章29から30節
●29節.それとも、神はユダヤ人だけの神でしょうか。異邦人の神でもないのですか。そうです。異邦人の神でもあります。
●30節.実に、神は唯一だからです。この神は、割礼のある者を信仰のゆえに義とし、割礼のない者をも信仰によって義としてくださるのです。
キリスト教の歴史をみると、信じる神が唯一絶対神である故か、その歴史は異端排除の歴史でもありました。
キリスト教はキリスト教以外の宗教にも非寛容そのものです。
このようにキリスト教が、自己を絶対化してほかの宗教を敵視することをあくまでも押しとおすならば、やがてキリスト教が滅びるというか、宗教戦争が起こり、人類が滅びるかもしれません。
2000年前にイエスは、この聖句にあるように、今までユダヤ人は神を自分たちだけの神としてきましたが、神はユダヤ人だけの神ではなく異邦人(ユダヤ人以外の民族)の神でもあると告知されています。
2000年前のユダヤ教も非寛容の宗教であったのです。
そうです、神はすべての民族の神なのです。
ということは、神の恵みは、救いは、ユダヤ人だけではなく異邦人、つまりユダヤ人以外の民族にももたらされるということです。
もちろん、その救いは民族、宗教、国家にかかわらず全ての民にもたらされるのです。
したがって、既に神の救いに与ったキリストの民は、自己を特別な存在とするのではなく、つまり、既に救われた者は特別な能力があって、
あるいは、特別な努力をしたからでもなく、恵みにより必要があって先に救いに与っただけであるので、謙虚になり、異なる立場の人々、自分たちに不利益をもたらす人々であっても、自分を特別なものとしてその人たちを排除するのではなく、謙虚になってすべての隣人に福音を語ることが必要だと思うのです。
その仕事があるから先に救いに与ったとも言えます。
隣人を愛する愛を持って無条件であらゆる人々を受け入れ、諸宗教・諸民族の融和と共生の方向に人類の歴史を導いていく仕事があると思うのです。
わたしたちを創造された神は唯一です。
その神は、ユダヤ教徒だけの、あるいは、キリスト教徒だけの神でもなく、イスラム教徒の神であり、ヒンズー教徒の神であり、仏教徒の神でもあると思うのです。
クリスチャンはそのようなすべての人々に仕えるために導かれたのだと思うのです。
どの宗教の人も、どの民族の人も神は愛しておられます。
同じ神に愛されている子であるわたしたちは、互いに愛し合い、助け合い共存しなければならないと思うのです。
キリストの神は、天地万物を創造し、今も支えておられる唯一の神ですが、キリスト教徒だけの神ではなくすべての民族の神で普遍的な神です。
わたしはキリストの福音は、あらゆる宗教の上にある真理だと思うのです。
宗教は、この世での人間の営みから生まれた、この世だけに必要なものだと思うのです。
イエスは、宗教団体をこの世に作ろうとされたのではなく、真理を告知するためにこの世に来られたのです。
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